[40] 光学ニュースピックアップ (2021/10/25~10/29)

光学ニュースピックアップ

こんにちは。光学、光でのお困りごとがありましたか?

光ラーニングは、「光学」をテーマに様々な情報を発信する光源を目指しています。情報源はインターネットの公開情報と、筆者の多少の知識と経験です。このページでは、2021/10/25~10/29に発表された光学関連のニュースを取り上げ、OpticStudioとのつながりや、筆者の個人的なコメントを加えます。参考にしているページは、オプトロニクスオンライン、Optics.org、Laser Focus Worldなどです。

ピックアップ記事 6 本

NTTドコモ、ソニーが開発した視野角120度VRスマホヘッドセット発売

ドコモ,視野角120度VRスマホヘッドセット発売(オプトロニクス)。NTTドコモは、ソニーが開発した世界で初めて8K HDR映像を対角120度の広視野角でVR視聴できる、Xperia専用のスマートフォン差し込み型ビジュアルヘッドセット「Xperia View(エクスペリア ビュー)」を2021年11月中旬に発売します。

21:9ワイドディスプレイに合わせた対角120度の広視野角レンズはソニー独自開発です。特徴はその構造で、視野の中心部は非球面レンズ、視野の外側はフレネルレンズのハイブリット構造になっています。非球面レンズ領域では解像度を達成し、フレネルレンズ領域では集光効率を達成しています。このような特性・定義式が途中で切り替わる面を、OpticStudioのシーケンシャルモードはデフォルトの機能では実現できません。DLLを自作するか、ノンシーケンシャルモードのMIXモード(混合(ミックス)モード_OpticStudioのノンシーケンシャルモードについて (3))が必要です。レンズ素材はPMMAなので、射出一体成型と思われます。設計から製造まで大変興味深い光学系となっています。

ウシオ電機、670~690nm帯高出力LDを開発

ウシオ,670~690nm帯高出力LDを開発(オプトロニクス)。ウシオ電機は、波長帯675nmおよび690nmの高効率・小型の200mW高出力シングルモードレーザーダイオードを、2021年10月よりサンプル出荷すると発表しました。

ここ最近は紫外のニュースが多かった中で、今週は赤~赤外光源の注目ニュースがありました。赤色帯のLDでは、国内だと三菱電機のイメージが強い(筆者の主観)ですが、ウシオ電機も多くの製品を取り扱っています。OpticStudioでは、シーケンシャルモード、ノンシーケンシャルモードともにレーザダイオードを光源としてモデル化できます。もちろん幾何光学で扱える範疇ということで、理論的な制約を把握したうえで使用すれば多くの有益な知見を得られます。レーザダイオードの設定方法については、いつか光ラーニングでも取り上げたいと思います (非点隔差なし_シーケンシャルモードでレーザダイオード(LD)を設定する方法 (1) などを参照してください)。

浜松ホトニクス、小型ビームパターン光源を高密度集積

浜ホト,小型ビームパターン光源を高密度集積(オプトロニクス)。浜松ホトニクスは、2次元のビームパターンを出力する半導体レーザーでは世界最小クラスとなる、「iPMSEL」(integrable Phase Modulating Surface Emitting Lasers)素子の高密度集積技術を確立し、2mm角のチップ上に素子を縦横4列ずつ形成した「iPMSEL アレイ素子」の開発に成功しました。

京都大学の野田教授のグループで開発されたフォトニック結晶を共振器とした発光レーザと、独自のホログラム設計+加工技術によって実現した、従来のVCSEL + DOE光源の1/10の体積にできる光源です。最終用途は工業用の3次元形状測定機光源、モーションキャプチャや顔認証となっています。残念ながら、筆者は理論・技術的な詳細をよくわかっていないニュースです。。。

横浜国立大ら、新方式ライダーを開発

横国大ら,新方式ライダーを開発(オプトロニクス)。横浜国立大学、東京工業大学、芝浦工業大学は、光相関制御型の新方式ライダーを開発し,100kHzの高速振動を検出することに成功しました。相関領域ライダーでは、対象物からの反射光を参照光と干渉させます。このとき、レーザー光に周波数変調を施すことで、反射光と参照光が強く干渉する点「相関ピーク」が形成されます。

ToF、FMCWなど、一口にLiDARといっても用途は様々ですが、今は信号処理側による高感度化・新しい評価項目の実現が進んでいるようです。これまた、筆者はこの新方式をよくわかっていません(文献を読めという話ですが)。とにかく、新しい技術が生み出されているのがうれしい限りです。

測距(対象物体までの距離)と、振動検出(対象物体がどのくらいの周波数で振動しているか)を同時に計測しています。OpticStudioで取り扱える内容ではありませんが、信号処理系のソフトウェアと連携させれば可能なのかもしれません。とにかく、OpticStudioは時間方向に変化する事象の解析は苦手な印象があります。シミュレーションに求められる範囲が時間方向に集まれば、何かしら進展があるかもしれません。

VerizonとAmazonが衛星通信プロジェクト「Project Kuiper」で連携

ベライゾンがアマゾンと提携、衛星プロジェクト「Project Kuiper」で通信網を強化(CNET Japan)。両社は米国時間10月26日、「戦略的な協力体制」に入り、「Verizonの地上モバイルネットワークとAmazonの地球低軌道(LEO)衛星ネットワークを組み合わせる」ことを目的にしています。Amazonの衛星ブロードバンド計画は「Project Kuiper」と呼ばれている。

ソニーコンピュータサイエンス研究所ら、ISSと地上局で光ダウンリンク確立 で少し触れた、衛星ネットワークと地上ネットワークの連携の話です。ただ、VerizonとAmazonとなると、規模感が格段に大きな印象を持ってしまいます。同様のシステムにおける強力な候補として、SpaceXの「Starlink」プログラムがあります。どちらかが覇権を取るのか、しのぎを削り続けるのか注目です。もう一つの可能性としては、期待したほど浸透せずに縮小していくという可能性もあります。過去に何度も立ち上がっては消えていった衛星通信のインフラ化の今後に注目です。光ラーニング的には、光通信のターミナルや、それを支える要素技術に興味が尽きません。

Facebook ニュース祭り

毎度お世話になっているFacebookは、一つ一つを取り上げるときりがないほどに、今週は多くのニュースを提供してくれました。①社名をFacebookから「Meta」へ変更。②「Oculus」ブランドを廃止して「Meta 〇〇」や「Horizon 〇〇」に改称。③2022年に発表予定の高性能VRヘッドセット「Project Cambria」が開発中。その他もろもろ、といったところです。

光ラーニングが取り上げるまでもなく、多くの人がFacebookの動向に注目した一週間でした。筆者が興味があるのは主にProject Cambriaで、コアとなる光学系がパンケーキレンズであることも動画で語られました。これら光学技術の進展は最近よく見聞きする「メタバース」といった大きな潮流が重要なエンジンになります。引き続き注視していきたいと思います。

まとめ

このページでは、2021/10/25~10/29に発表された光学関連情報から、国内4件、海外2件(Facebookは1件カウント)を取り上げました。筆者の知識レベルで取り上げられるネタは制限されますが、これからも気になった情報をご紹介したいと思います。

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