こんにちは。光学、光でのお困りごとがありましたか?
光ラーニングは、「光学」をテーマに様々な情報を発信する光源を目指しています。情報源はインターネットの公開情報と、筆者の多少の知識と経験です。このページでは、2022年1月に発表された光学関連のニュースを取り上げ、OpticStudioとのつながりや、筆者の個人的なコメントを加えます。参考にしているページは、オプトロニクスオンライン、Optics.org、Laser Focus Worldなどです。
Photonics West 2022 PRISM AWARD を Zemax が受賞
世界最大の光学イベントであるPhotonics Westが1/22~1/27にサンフランシスコで開催されました。筆者も何度か参加したことがあるこのイベントですが、日本国内のイベント何個分?と思うような規模に圧倒されてしまいます。また参加できる機会を得られるよう、頑張っていきたいものです。
PRISM AWARD のソフトウェア部門で、このページでも大変お世話になっているZemaxの製品である、STARモジュールが受賞していました。個人的にはなじみのない製品ですが、いつか触ってみたい。
Zemax OpticStudio 22.1 リリース
2022年1月25日に、Zemaxの3製品、OpticStudio、OpticsBuilder、STAR moduleの最新バージョンがリリースされました。Ansysに買収されるニュース があって、2022年以降のリリースがどうなるか気になっていましたが、例年通りに最新版がリリースされました。
OpticStudio 22.1の新機能などについては、さっそく確認したいと思います。前バージョン21.3の機能レビューは、OpticStudio 21.3 リリース、新機能レビュー を参照してください。(OpticStudio 22.1 リリース、新機能レビュー を追加しましたので、参照してください。)
デバイス関連 2件
ウシオ,高出力赤色LDの新シリーズを発売 (OPTRONICS ONLINE)
スタンレー,高出力赤外VCSELの量産出荷を開始 (OPTRONICS ONLINE)
赤色LDレーザでの活動が活発なウシオ電機から新製品の発表がありました。今回のニュースは波長639nmで、2021年10月には670~690nm帯LDのサンプル出荷のニュース がありました。LDの進展は今後も堅調なようです。
スタンレー電気からは、赤外VCSELの新製品発表です。アプリケーション先は自動車で、ADAS/ADの進化をにらんだ開発が顕著です。光学エンジニアにとってはありがたいことに、デザインファイルがダウンロード可能(スタンレー電気 UDN1Z54 製品サイト)です。
自動車関連 4件
Lumentum hooks up with Hesai on auto lidar (optics.org)
LiFi, color-changing cars and lidar light up CES 2022 in Vegas (optics.org)
Opsys Tech lidar units to feature in production vehicles from 2024 (optics.org)
東芝ライ,IoTスマート道路灯を実証実験 (OPTRONICS ONLINE)
今年も話題の中心は車載、車環境の変化となりそうです。LumentumとHesaiによるVCSEL LiDARの量産に向けた提携が発表されました。車載LiDARのネックとなるコスト課題の解決を目指すようです。CES2022の自動車関連の展示では光学技術が多く使用されていました。また、自動車だけでなく道路環境の進化も注目です。社会インフラ全体が、自動車関連技術の波に乗っているかのようです。
新製品関連 2件
ブイテク,μLEDディスプレー製造ラインを出荷 (OPTRONICS ONLINE)
Magic Leap、第2世代ARヘッドセット「Magic Leap 2」を医療系の技術企業へ早期提供 (CNET Japan)
光学業界で注目されるキーワード、「μLED」と「AR/VR」のニュースをピックアップしました。μLEDはAR/VRグラス用の光源としても注目されているので、両方の技術がよい相互作用を起こしてくれることを期待しています。ARグラスについては、Apple、Google、Meta、Microsoftも積極的に取り組んでいるようで、妄想記事(?)も多くてここでは取り上げていません。。。
研究開発 3件
NTT,レーザーでアスベストを無害化し粉塵を抑制 (OPTRONICS ONLINE)
NTT Corporation develops metasurface able to split out primary colors without filters (optics.org)
JAMSTECとトリマティス,1Gb/sで海中光通信 (OPTRONICS ONLINE)
NTTから興味深い研究発表がありました。ハイパワーレーザとDOEの組み合わせは、レーザ加工機などで注目されています。今回は10kW級のレーザとシリコンDOEとのことで、他アプリケーションへの展開にも期待です。また、DOEの範囲かよくわからないですが、メタレンズによるカラーフィルタの発表も興味深いです。2021年12月のニュースだったのですが、思わず入れてしまいました。海中の光無線通信は、継続的に開発が進められています。宇宙よりも謎のが多いと言われる海洋探索の分野で、今後の進展にも期待しています。
まとめ
このページでは、2022年1月(27日まで)に発表された光学関連情報から、13件をピックアップしました。筆者の知識レベルで取り上げられるネタは制限されますが、これからも気になった情報をご紹介したいと思います。
コメント