こんにちは。光学、光でのお困りごとがありましたか?
光ラーニングは、「光学」をテーマに様々な情報を発信する光源を目指しています。情報源はインターネットの公開情報と、筆者の多少の知識と経験です。 このページでは、Zemaxホームページで公開されている技術記事、シングレット レンズの設計方法 パート1 からパート3まで3本の記事を短くまとめます。
このページの使い方
技術記事(ナレッジベース)は、OpticStudioを深く知るうえで非常に有用ですが、有用な記事ほど長くなってしまいます。書かれている内容をざっと把握して、「この記事に知りたいことが書いてある!」と感じることができれば、ぜひ記事にアクセスして詳細を確認してほしいです。
「シングレット レンズの設計方法 パート1:セットアップ」まとめ
- リンクはこちら: パート1
- 今回設計するシングレットレンズの仕様を確認する。
- システムエクスプローラ>アパチャーで、光学系に入る光の大きさを決める。
- システムエクスプローラ>視野で、光学系が観測する物体の大きさを決める。
- システムエクスプローラ>波長で、OpticStudioが追跡する光線の波長を決める。
- レンズデータエディタに行を追加し、物体面、レンズの前後面、像面とする。
- レンズ面に曲率半径、厚み、材質を設定し、シングレットレンズとする。
- レンズ後面の曲率半径にソルブを設定し、Fナンバーを固定する。
- ここまで、シングレットレンズの設定が完了。
「シングレット レンズの設計方法 パート2: 解析」まとめ
- リンクはこちら: パート2
- 最適化の前に、現状の光学設計が達成している光学性能を確認する。
- レイアウトで、視覚的に光学系の形状や光線の追跡状況を確認する。
- スポットダイアグラムで、像面における各視野のスポットサイズ、形状を確認する。
- 横収差図で、理想的な結像状態からの光線のずれ量を確認する。
- 光路差図で、射出瞳上での理想的な球面波とのずれ量を確認する。
- クイックフォーカスで像面の位置を自動調整し、現時点での最小スポットを得る。
- ここまで、初期設計の性能確認と微調整が完了。
「シングレット レンズの設計方法 パート3: 最適化」まとめ
- リンクはこちら: パート3 (パート2最後のリンクは機能していないかも?)
- 設計の自由度を確認し、最適なの対象とできるパラメータを変数に指定する。
- メリットファンクションエディタで、最適化のゴール(目指す姿)を設定する。
- 基本となるゴールの設定は、最適化ウィザードで半自動的に設定する。
- ウィザードでは、光学的なゴールと、レンズ形状や空気圧など物理的な制約を与える。
- 評価関数(Merit Function)は、設計の達成度をひとつの数字で表している。
- 最適化を実行すると、評価関数が最小になるように変数が自動的に調整される。
- 最適化後のレンズ形状、光学性能を確認して、シングレットレンズの設計を完了。
所感
この一連の技術記事は、OpticStudioのシーケンシャルモードでのレンズの設定から最適化まで、エッセンスをまとまっており、特にこれからOpticStudioを使う方には有益です。複雑な光学系を設計する場合でも、基本的な設計の進め方は同じになりますし、過去の設計データを確認したり更新する場合も、この記事の流れで設計の確認と最適化を行います。まずはシステムエクスプローラをしっかりと確認しています。
今後は、これらの記事に出てくる光学用語やOpticStudio機能について、もう少し踏み込んだ説明を行いたいと思います。参考になれば幸いです。
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